自己肯定感

時々「自分に自信がない」という言葉を聞くことがあります。何か一つの対象(例えば勉強やスポーツ)について自信がないのではなく、何ごとについても自信を持てない、という言葉です。客体(=対象)について自信がないのではなく、主体(=自分)について自信がないということです。

この「自分という主体に自信がある/ない」ということが、「自己肯定感がある/ない」ということです。では、どうしたら自己肯定感をもてるでしょう?

<幼少期>

小さな子どもはよく「お母さん、私のこと好き?」と聞きます。「好きよ」と言われて、子どもは大きな安心感を得ます。一方、親から叱られると、辛く悲しくなります。小さな子どもは親を絶対的に信頼していて、親は絶対的な存在です。小さな子どもは、親に好かれるということで、親を拠り所として自分という存在自体について(無意識に)自己肯定感を感じています。

子どもを見れば、自己肯定感のもたらすものが分かります。子どもは、迷うことなく毎日を生き生き過ごしています

<思春期>

思春期の頃、親が普通の人間であり絶対的な存在ではないことに気づきます。親という拠り所がなくなり自己肯定感が揺らぎます。新しい拠り所として生きる価値や生きる意義や生きる目的を探し、自己肯定感を取り戻そうとするのが、いわゆる”自分探し”です。しかし、存在自体については、生きる価値や生きる意義や生きる目的は、そういう概念自体が成り立たず、それらが見つかることはありません(説明は こちら )。自己肯定感とは、自分という存在自体を肯定的に感じるということではありません。

<夢>

全ての人に共通する、生きるということの普遍的な目的は見つかりませんが、「自分の生きる目的は〇〇だ」と自分で決心すること、つまり夢をもつことはできます(夢については こちら )。をもっている人は、夢に向かって行動します。夢に向かう自分の行動は自分で肯定的に感じられます。すなわち自己肯定感です。

<行動>

自分の行動について、自分の夢の実現に向かっている行動なのかどうかという基準で評価を行い、肯定的に感じるということです。

自己肯定感とは、自分の行動について、自身の基準で評価し、肯定的に感じるということです。

<基準>

自分で評価するためには、自身の基準となる”ものさし”が必要です。自己肯定感を感じるためには、基準となる自分の夢が必要ですが、その夢を肯定的に評価してよいのかどうかという基準も必要となります。何を善い事とし、何を悪い事とするかという善悪の基準が必要となります。(善悪については執筆中です)

例えば、友情を大切にすることも、自分の意見を大切にすることも、善い事ですが、状況に応じてそのどちらを優先するか変わります。どのような状況で何を優先するかは、人によって異なります。善悪の基準、優先基準は、人によって異なります。各自で、自身の基準が必要となります。

自身の基準がないと、肯定的にも、否定的にも感じることがでず、自己肯定感を持つことができず、毎日をなんとなく過ごすしかありません。自身の基準があれば、自己肯定感を持って、迷うことなく毎日を生き生き過ごせます。自身の基準はとても大切です。

<他人>

小さな子どもにとって、親が自己肯定感のすべてです。他人から愛されることや、他人から褒められることなど、他人から認められることによって、自分という存在自体について、自己肯定感を感じることはできます。しかし、他人は変わっていきます。他人は自分に都合よく変わるとは限りません。他人を自己肯定感の拠り所とすると不安定です。

<過去>

過去の自分も自己肯定感の一つです。例えば青春時代に甲子園を目指して頑張っていたあの頃の自分は、自分でも誇らしいのではないでしょうか? 誇らしいのは行為であり、結果ではありません。

あの頃の自分の頑張り自体(つまり行為)が誇らしいのです。過去の行動(例えば頑張り自体)は変わらないので、それに対する自己肯定感は変わりません。

しかし、過去の結果(例えば新記録)は他人に塗り替えられてしまいます。過去の結果を拠り所とする自己肯定感は不安定です。

<自分の未来>

は、自分未来のことですので、安定した自己肯定感です。夢がかなわなかったとしても、頑張った行動は、自分の誇りとして自己肯定感になります。

<幸せ>

未来に向かってのと、今の行動についての自己肯定感があれば、それは幸せと言えるでしょう。夢と自己肯定感と幸せは表裏一体です。夢と自己肯定感と幸せは互いに強め合っています。そのことに気づけば自己肯定感はより確かなものになります。(幸せについては こちら )

<伝わる>

人は、自分のがどのような夢や想いをもって生きていたか、ぼんやりとかもしれませんが、分かります。自分の夢や想いも子どもに、ぼんやりとかもしれませんが、伝わります。伝わるのは、子孫にだけではありません。自分の行動を見ている他人にも伝わります。は自分だけの物ではなく、未来や周りに伝わる物です。そのことに気づけば自己肯定感はより確かなものになります。(説明は こちら )

<日常生活>

自分という存在自体について生きる価値や生きる意義を探しても、他人や過去の結果を拠り所としても、自己肯定感をもつことは難しいです。

自己肯定感をもつためには、自分のと、自身の基準を持ち、夢に向かって行動することです。

自己肯定感があると、肯定感を持って日々の行動を行うことができ、迷うことなく毎日を生き生き過ごせます


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